Nichi-ryū sogo (日琉祖語) [Proto-Japonic] - Archive ouverte HAL Accéder directement au contenu
Notice D’encyclopédie Ou De Dictionnaire Année : 2019

Proto-japonic, proto-Japanese-Ryukyuan

Nichi-ryū sogo (日琉祖語) [Proto-Japonic]

Résumé

Pellard, Thomas. 2019.「日琉祖語」木部暢子(編) 『明解方言学辞典』113. 東京:三省堂. 日琉祖語 (にちりゅうそご) proto-Japonic, proto-Japanese-Ryukyuan Thomas Pellard 日琉語族を形成する日本本土および琉球列島の諸言語が分岐する以前の共通 祖先の言語。比較方法によって再建される。以前「日本祖語」と呼ばれていた が、琉球諸語を排除した「日本(本土)祖語」と区別するために近年広まりつ つある用語である。 分岐の過程と年代 日琉祖語は文字通り本土日本語派と琉球語派とにまず分かれたと思われる が、琉球諸語が日琉祖語から直接ではなく九州諸方言から二次的に分岐したと いう仮説もある。さらに八丈島の言語は本土の方言と共通する新しい面も示し ながら古い特徴もいくつも保持しており、その史的な位置が定かではない。 一方、琉球諸語と八丈語は「古事記」や「万葉集」など、日本語の最古の文 献資料で見られない音韻の区別を示しており、それらが二次的に発達した改新 と説明できず、祖語に存在していた区別の保持と考えられる。つまり、それら の区別が奈良時代の日本語ではすでに消えており、日本語と琉球諸語が分かれ たのは奈良時代以前であると言える。このように下限を特定できるが、上限や それより詳しい年代推定は言語学からはできない。ただし、考古学などの他分 野の資料から見て、日琉祖語は社会の大きな変動が起こった弥生時代末期なし し古墳時代あたりに分岐した可能性が高い。琉球諸島の現代住民の直接の祖先 が平安時代になってから琉球列島に移住したという有力な仮説と一見矛盾する ように見えるが、琉球諸語が分岐してからその話し手がすぐに南下したのでは なくしばらく本土(恐らく九州地方)に在住していたと想定すれば解決される。

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hal-02099262 , version 1 (14-03-2020)
hal-02099262 , version 2 (01-05-2020)

Identifiants

  • HAL Id : hal-02099262 , version 2

Citer

Thomas Pellard. Nichi-ryū sogo (日琉祖語) [Proto-Japonic]. Meikai hōgengaku jiten (明解方言学辞典) [The Sanseido dictionary of dialectology], 2019, pp.113. ⟨hal-02099262v2⟩
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